外壁検査とは?(建築基準法12条点検)
外壁検査は、建築基準法第12条の定期報告制度に基づき、建物の外壁の剥離や劣化を点検し、安全を確保するため
の検査です。特に高さ10m以上の建物は、外壁の点検が義務付けられています。
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1. 外壁検査の対象となる建物
高さ10m以上の建物(約3階建て以上)は、外壁の異常を定期的に検査し、自治体へ報告する義務があります。
ビル・マンション・商業施設(デパート・ショッピングモールなど)・病院・学校・公共施設
・工場・倉庫などの大型建築物
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2. 外壁検査の方法
外壁の検査には、大きく分けて2種類の方法があります。
@ 目視調査(近接目視)
・高所作業車・ゴンドラ・足場などを使用し、外壁の状態を直接確認。
・窓拭き作業用のゴンドラがある場合、それを利用することも可能。
・ひび割れ、タイルの浮き、劣化したシーリング材などを確認。
A 打診調査(打音検査)
・タイル貼りやモルタル仕上げの外壁は、打診棒やハンマーを使い、浮きや剥離をチェック。
・打診時に鈍い音がする部分は、内部で浮いている可能性が高い。
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3. 外壁検査の頻度
・高さ10m以上の建物は「3年に1回」以上の外壁点検が義務付けられている。
・タイル貼り・モルタル仕上げの建物は、一定周期ごとに詳細調査(打診など)を実施。
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4. 外壁の劣化サインと対策
よくある劣化症状
・ひび割れ(クラック) → 雨水の侵入による劣化進行の原因
・タイルやモルタルの浮き・剥がれ → 落下すると大事故の可能性
・シーリング(目地材)の劣化 → 防水性の低下による建物全体のダメージ
修繕方法
・軽微なひび割れ → 防水材の塗布やシーリングの補修
・タイルの浮きや剥離 → エポキシ樹脂注入、貼り替え
・大規模な劣化 → 外壁の張り替えや再塗装
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5. 外壁検査の報告と義務
・点検後、専門業者(建築士など)が報告書を作成し、自治体へ提出。
・未報告や不適切な対応があった場合、行政指導や是正命令の対象になることも。
・万が一、外壁の落下事故が発生した場合、所有者や管理者が責任を問われる可能性あり。
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6. 近年のトレンド(ドローン外壁点検)
近年、ドローンを活用した外壁点検が増えています。
・高所作業車や足場を組む必要がないため、コスト削減が可能
・短時間で広範囲の撮影・解析が可能
・赤外線カメラを使って、目視では確認しにくい異常を検知
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